広告界のレジェンドによるおススメ本シリーズ 第1弾!
白土 謙二
(しらつち けんじ)
1952年生まれ。1977年電通入社。以来20年間、クリエイティブディレクター、C M プランナー、コピーライターをつとめ、現在では企業の経営・事業戦略からブランドコミュニケーション、製品開発、店舗開発、イントラネット構築、企業のカルチャー変革からサステナビリティまで、多様な課題を〔戦略と表現の両面から統合的に解決する〕独自のコンサルティングで活躍している。
これを読むだけで、プロになれる5冊。
「大貫卓也全仕事」広告批評の別冊⑦
大貫卓也 著 | マドラ出版社 | 1992年9月刊
アメリカの広告表現の黄金時代が 70 年代だとすれば、日本のそれは 80 年代だと私は思っています。そんな 80 年代のど真ん中で、広告業界のみならず、世の人々を驚かせる表現を連発し続けたアートディレクター 「大貫卓也の仕事」がほぽ網羅された凄い本。でも、本当の凄さは、代表作(川崎事件/西武百貨店)の企画・制作プロセスを開示し、自ら解説してくれているところにある。プロは凄い表現に出会うと、まず「その表現を作り出した方法=型」を探ろうとする。何故なら、それが分かれば自分も同じレペルの表現を作り出せるはずだから。その「方法」をナント!本人が教えている、アートディレクタ ーを目指す全て の人必読の最高にして最良のテキスト。
「VWビートル」発想トレーニング副読本
西尾忠久 著 | KKロングセラーズ | 1980年4月刊
世界の広告界に衝撃を与えた表現の代表例は、 1997年のアップル ・ コンピュータのキャンペーン "Think different"であろう。我が道を行くアップルの理念がたった二語で見事に表現されている。しかし、このフレーズはその製品同様、決して彼らの独創ではない。手本は、米国広告史上最高の表現に選ばれた1960年のフォルクスワーゲンの広告"Think small" にあることは疑う余地がない。これを制作した広告会社DDBは、「CREATIVE REVOLUTION」を旗印に、当時主流であった(今の日本と同じ)説明的な広告群を、知的でシンプルで受け手の心に届く「真の表現」に一変させた。
これぞ世界最高の表硯手!
「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た!
馬場康夫 著 | 講談社 | 2007年1月刊
「インテリジェンス」と言えば、外交の領域では諜報活動を意味し、認知科学の世界では、知能や情報を操る総合的な知的能力を意味する。いずれの意味にせよ ‘‘ インテリジェンス” という言葉を、私はこの40年間、広告やマーケティングの世界では耳にしたことが無かった。しかし、この本を読んで私が最初に感じたのは何故か「圧倒的なインテリジェンスの違い」という驚きだった。古風なピジネスの時代に生きていたはずの広告業界の先輩たちの頭の中が、現代の私たちの脳ミソよりも、遥かに高速で、センス良くかつ切れ味鋭く、パワフルに動いていたことを、貴重な実例で教えてくれた初めての本。以来、この本の登場人物達が私の心のライバルになった。
「ブランドは広告でつくれない」
アル・ライズ、ローラ・ライズ 著 | 翔泳社 | 2003年2月刊
1990年代半ばから急速に盛んになった「ブランド戦略論」は、‘‘広告を販促のための費用"ではなく、 “広告は無形資産を生み出す投資” と捉えた。アル・ライズは、その考えに真っ向から挑戦する。プランドを作り上げたければ、すべきは広告ではなくPRだと彼は言う。何故なら、イメージで嘘をつく広告の信用度は急激に低下していて、逆に事実=ファクトの力で人々に訴えるPRへの信頼度は上昇している。まずはPRで土台を作ってピジネスを成長させ、ライバルが現れてきた時、初めて自分達の優位性を維持・強化するために広告のパワーを活用すべきだと提言した。これを読んで以来、私はまず"PRの視点"から全ての作業を考えるようになった。
「シビックプライド」都市のコミュニケーションをデザインする
シピックプライド研究会 編 | 宣伝会議 | 2008年11月刊
大都市への一極集中や、地方都市の衰退が日本でも深刻な課題となってきている。この本は、〔世界中の様々な課題を抱えた都市が、その難題にどのように取り組み、大胆な発想力とクリエイティプな実行力でいかに解決したのか〕その極めて詳細な現地レポート集である。都市の抱える諸課題が極めて多様である以上、その解決策も千変万化、一層の工夫と独創が求められるのは必然であろう 。企業のみならず自治体、NPOや大学などで、事業戦略、プランディング、マーケティング、広告、PR、商品開発等々、様々な仕事に携わり難題と直面している人々にとって、のレポート集が[課題突破=ブレイクスルー]の絶好のヒント集になることを、私は確信する。
さらに、時間がある人におススメしたいもう、20冊の本
「すべての仕事はクリエイティブディレクションである。」
古川裕也 著 | 宣伝会議 | 2015年9月刊
コミュニケーションが主だが、クリエイティブディレクションについての真摯で、わかりやすい考察の書。
「THE CREATIVE REVOLUTION」
Claes Bergquis 編 | Claes Bergquist Communications. | 1997年刊
米国広告史上最強最良といわれる表現を生み出した、広告会社DDBのあまりに見事な仕事集。
「クリエイティブ・マインドセット」想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
トム ・ ケリー、デイヴィッド ・ ケリ一 編 | 日経BP社 | 2014年6月刊
”発想する会社”のトム・ケリーが語る、クリエイティブな思考法と場の作り方。
ブレーン 別冊「繁栄を確約する広告代理店DDB」
西尾忠久 編著|誠文堂新光社 | 1966年10月刊
米国のみならず世界の広告史上最高の表現を生み出した集団の全貌。
「世界を変えた伝説の広告マンが語る 大胆不敵なクリエイティブ・アドバイス」
ジョージ・ロイス 著 | 青幻舎 | 2012年10月刊
世界の広告デザイン史上、最強のアートディレクターが語るクリエイティブの本質。
「マーケティング22の法則」
アル・ライズ、ジャック ・ トラウト 著 | 東急エージェンシー 出版部 | 1994年1月刊
マーケティングの基本となる考え方について極めて平易で優れた入門書。
「逆転!」強敵や逆境に勝てる秘密
マルコム ・ グラッドウェル 著 | 講談社 | 2014年9月刊
世界のあり方を変えていこうとする人たちとその手法についてのガイドブック。
「ソニーのふり見て、我がふり直せ」ブランドで稼ぐ勘と感
山口誠志 著 | ソル ・ メディア | 2012年2月刊
黄金期のソニー・ ブランド。それを作り出したクライアント側から見た企業宣伝活動のダイナミズム。
「世界を変えるお金の使い方」
山本良ー 著 | ダイヤモンド社 | 2004年12月刊
世界のあり方を変えていこうとする人たちとその手法についてのガイドブック 。
「Britain TM」
Mark Leonard 著 | Renewing Our Identity | 1997年刊
英国人の若者が、イギリス一国を企業と見立てて書いた見事な“再生のためのシナリオ"。
「コミュニティデザイン」人がつながるしくみをつくる
山崎亮 著 | 学芸出版社 | 2011年5月刊
スターに頼らず、自分たちで考えて、みんなで作り出す新しいデザイン手法による身近な事例集。
「人工知能と経済の未来」2030年雇用大崩壊
井上智洋 著 | 文藝春秋 | 2016年7月刊
人工知能は人類の味方か敵か。最早、避けて通れない世界の変化への入門書。
「ネクスト・マーケット」[増補改訂版]「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
C.K. プラハラード 著 | 英治出版 | 2010年7月刊
世界の貧しいと思われていた人たちが、素晴らしい顧客となることを実証した初めての本。
「なぜ日本は没落するか」
森嶋通夫 著 | 岩波書店 | 2010年7月刊
日本の社会の未来を、30年単位の世代特性の視点から見通した卓越した日本への予言の書。
「少子社会日本」もうひとつの格差のゆくえ
山田昌弘 著 | 岩波書店 | 2007年4月刊
日本の社会の変容を統計と意識の変化の両面から分析した、リアルで興味深いアプローチ。
「アベノミクス批判」四本の矢を折る
伊東光晴 著 | 岩波書店 | 2014年7月刊
安倍政権の基本政策に対する、極めて早い段階からの本質的で論理的な批判。
「知性とは何か」
佐藤優 著 | 祥伝社 | 2015年6月刊
日本を蝕む知的劣化とも言える”反知性主義”への批判と対処法。
「僕らが毎日やっている最強の読み方」新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
池上彰、佐藤優 著 | 東洋経済新報社 | 2016年12月刊
知の領域やジャーナリズムの世界で精力的に活動する二人の、知識と情報の集め方の全スキルを公開。
図解で学ぶ「ドラッカー入門」
藤屋伸二 著 | 日本能率協会マネジメントセンター | 2009年6月刊
経営学の神様が教える、企業や社会の読み解き方。そのわかりやすい解説書。姉妹編に「ドラッカー戦略入門」もある。
「経営者になるためのノート」
柳井正 著 | PHP研究所 | 2015年9月刊
経営者がどのように経営を学び成長するのか。その思考とプロセスを惜しげもなく公開した最新版ノート。