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コレクション

絵びら

配ることを目的として作られた広告物のうち、絵びらは主に店舗開店や年末年始等の御挨拶時に店主から贈られました。それらは色彩や図柄が華やかで、暦入りのものが多かったので、室内や店舗内の壁に貼られ、長い間目に触れられるという効果がありました。
主に絵びらに描かれたのは、美人やエビス、大黒などの福の神で、時には洋館や自動車など文明開化を象徴する要素も盛り込まれていました。
これらの絵びらの制作には「名入れ」という方法が取られました。まず版元が絵柄の部分の見本摺りを持って注文を取り、その後、文字の部分に商店名や商品名などの文字をいれていったのです。このように同じ絵柄のものを大量に制作し、コストを削減できたため、全国各地の中小商店が絵びらを利用することが可能になりました。
同時に現在の薬やビールのポスターのように製造元が取扱店に対しての販売援助として作ったものもありました。
このような絵びらは主に明治時代から昭和初期まで活用されていました。

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